店主が〝もやし〟になるまで(その10)


人生、どこでどういうふうにして歩んでいく道が見つかるのか、ほんと分からないものですね。重要なのは『気付き』やと思ってる私の場合は、自分を生き返らせてくれた妻や娘のおかげで、想像もしなかったベビー業界に参入するわけです。

参入って大袈裟な(笑)


その想いは、単純に育児が経験できたからという軽い気持ちではなく、前述したように、一度死んだ自分を生き返らせてくれた娘の存在をとても大きな宝と感じ、ひとりの人間として恩返ししたいという気持ちと同時に、同じように育児で悩んだり苦しんだりしている方々に、実体験から言うリアルなアドバイスをしたり、支えになれたらと選んだ道。


決して教科書で学ぶ、教科書内の常識と言われる部分や、よくある傾向を伝えるのではなく、実際、自分が身をもって感じた言わばベタなことをリアルに伝えるだけのこと。

ですから決して正解もありません。……かと言って、教科書にも決して正解はないはずです。寧ろ一般常識的なことにとらわれ、その通りに子どもが成長せず、かえって焦りからノイローゼになる人も少なくはありません。


私はリップサービスというセンスを持ち合わせてないので、アドバイスから軽い傷をつけてしまうこともあります。でもそれがのちになって、理解してもらえることが多々あります。


あくまでも "うちの場合は…" という一例としての助言ですね。



リアルな声……… たとえばウツはウツを経験した人にしか、本当の苦しみは分かりません。子育て相談においても、やはり実際子育てをしてる人の助言が一番説得力に長けていると思います。

リアルな子育てをしたことない方が、育児という常識的な知識を得て、その道でプロとして活躍される。そういう方に対してはとても失礼な発言になるかもしれませんが、やはり経験者の意見の方が、聞き手にとっては貴重なものだと思います。



雑学、知識は、あくまでもひとつのウワサを最もらしく自分のものにしているだけで、楽しむための材料のひとつ。


何度も言いますが、ビジネスとしてお考えの方もたくさんおられると思いますので、その方々には失礼な意見となる旨、心よりお詫び申しあげます。




あぁ(  ̄▽ ̄;) こんなことを語ってては、ブログの主旨が分からなくなってしまう(笑)  すみません。



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さて、再出発した私は、たちまち仕事人間と化し、朝早くから夜中まで毎度のように働き続けます。

ベビー用品に関する営業、配達、設置、説明等の業務として、関西圏のあらゆる地域を走り回るわけですが、サービスで個人的に育児の相談やら何やらやってるうちに、一応『教科書育児』も学びたいという意欲が湧いてきます。

……と言っても、ベビー関連の資格をとるに当たって、会社が協力してくれるわけでもなく……。


そこで、個人的に私がこそっと貯めていた貯金をすべて使い、保育を学ぶ学校に入学することになります。唯一の会社休日である日曜日はすべて学校です。


" 英国式少人数制保育資格 チャイルドマインダー "


そこには現役保育士さんや、子育て真っ只中のママさんたちがたくさんいました。私ひとりだけが男性でした。


授業の中で常に意見を述べる私は、先生始めみなさんによくこんなことを言われました。


「あなたのような男性目線からの子育て発言は、とても新鮮で、お母さんたちが思い浮かばないような貴重なアイデアとなります。すごくありがたいです!」



そうなんです。

子育てを経験し、そこから保育の世界に目覚めるのは、普通にあってもおかしくないことなのですが、あくまでも私は父親目線なわけです。


だからか!


だからあんなに仕事のお客様である新米ママさんたちは、目を輝かせて聞いてくれるわけなんだ!




このブログを書いている2017年現在では、男性が育児に携わることが普通になりつつありますが、その当時では特別なものがあったわけです。



エプロンつけて、保育園で保育研修もうけました。

(いやぁー、これはしんどかった……… 現役保育士さん、ご苦労様!!)



そうして2009年11月8日、試験に合格し、国際小児救急救護と共にチャイルドマインダーの資格を、晴れて取得します。




いずれは独立して、音楽も大いに絡んだ独自の保育施設が経営できればいいなぁーー。


そこまで保育業界に憧れるようになりました。



仕事でも、育児についてお客様と積極的に話すことが多かったせいか、ベビー用品の配達や相談について、よくご指名をいただくようにもなりました。決して私が良いというわけではなく、印象に残りやすい何かを知らず知らずのうちに残していってたのでしょうね(^^)


チヤホヤされるのは好きではありませんが、自分でないとダメと言われると、話しやすい営業マンという印象、そして自分が何らかの役に立ってるんだと思い、どんどん自信に繋がってきます。


しかしもって、アホみたいに調子のって働き続ける自分。

真冬の夜中に帰宅し、玄関ドアの前で力尽きて、外階段でいつのまにか眠ってしまってた日があったり、なんか胃が痛いなぁーとか微妙にくるしみながら眠り、朝起きたら口から血が流れてたり(( ̄0 ̄;いったい眠ってる間に何が起こったんや!??(笑))………


私があまりにも仕事人間になったせいで、一時家族が崩壊しそうになった危険な時期もありました。



一番大切なものを忘れてる気がする……

何でものめり込む私が、家庭の順風を掻き乱している………



これからいっぱいいっぱい反省して生きていかないと………

会社のために働いてるんじゃない。

家族を守るために働いてるんだ。



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聞き慣れた声がした

思いだしたように目が覚めた

何でだろ? 何やってたんだろ?

どこに行こうとしてたんだろ?

こんなに近くにいたなんて

何を見て生きてきたんだろ?

授かった奇跡の翼 おもいきり広げてみて………


右手に誰がいますか? 左手に誰がいますか?

当たり前のことを当たり前に過ごせるあなたをずっと

大事に思ってました

地図なんてもういらない

僕らがゴメンねと言うなら 先に死ぬときだけ

それまで帰る場所は いつものここだよ


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ある休日の朝。

寝ぼけた私の耳に、聞き慣れた妻と娘の笑い声が入ってきました。


病気を患ってたときのことを思いだしました。


何に夢中になってたのか分からない自分。


ほったらかしにしてたそんな家族。


私は布団の中で、涙が止まらなくなりました。


私は家族と過ごすための時間まで、仕事に費やしていました。






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2011年。


愛娘に弟ができます。 


ママのおなかに赤ちゃんがやってきたことが分かってから、愛娘は酷い赤ちゃんがえりをしていました。

おねしょが始まったり、言語は赤ちゃんコトバ、靴も自分で履けない。

そんなややこしい時期にも、父親は仕事三昧やったわけです。


赤ちゃんが産まれ、ますますママを独り占めできずプレッシャーとストレスにまみれる愛娘さーちゃん。


ここは自分が動かないといけない!




4才の赤ちゃんに戻った愛娘さーちゃんと目線を合わせる決意をかためます。



仕事が忙しくても、休日はしっかり休む。

私が努力しないといけないのは、セーブをする心を鍛えること。




「おねえちゃん! ママとボウズほっといて(笑)、パパがええとこ連れてったるわ!」



娘に特別感を味わってもらう、と同時に、おねえちゃんであることに自信をもってもらう。



お休みのたびに、プチ旅行をふたりで楽しみました。

プールにも海にも遊園地にも、ママと行けば制限されることも、いっぱいいっぱい味わってもらう。


始終ハッピーな顔した娘。




……でもね、お父さんが娘にしてやれることって、いろいろ限られてしまう部分があるんです。



「ねぇ、パパー、ママ、今、何してるかなぁー」


遊んで疲れると、娘が必ず発するコトバです。





なんか…… なんか、娘がママとやって喜ぶようなこと自分にもできへんかなぁー。




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ある日、息子の寝かしつけで、夕方から妻がいっしょに寝てしまい、晩ごはんの時間に娘とふたりっきりになるシーンがありました。


「おねえちゃん、おなかすいた?」


「うん、すいたー」 


「なんか食べたいものある?」


「さーちゃん、オムライスたべたい!」


「…( ̄0 ̄; オ、オムライスか…… ママ寝てしもたしなぁー、なんか買ってあげよか?」


「さーちゃん、オムライスがいい!」



正直、私は、焦げ焦げの手料理を娘が産まれる前に妻に無理やり食べさせて以来、フライパンに触れていません。


今からそんなもん作れるか??










………んっっ?!


娘がママとやって喜ぶようなことっ!?


そーかっ!! 娘も弟ができて、新生活のスタートラインでもがいている。自分もスタートラインに立てばええんや! 料理や! 料理!

それを、娘といっしょに素人同士で作るってどうやろ??




「ねえちゃん! よっしゃ! 今からさー、パパといっしょにオムライス作ってみるかっ!?」


「わあーーー! パパー、つくる! さーちゃん、つくりたい!」


「じゃあ、おねえちゃんは、卵割って、サラダ盛りつけしてくれる?」


「するっ! ママのぶんもつくる!」




作れんくせに調子のってカッコつけました(笑)


……が、やればできるもんです(笑)



娘は小さな手で、卵を上手に割れました。サラダの盛りつけも、私なんかよりずっとかわいくできました。

小さな手で一生懸命でした。


技術はなくても愛情だけで楽しく作った料理。



とても美味しかったです。



「パパ、おりょうりもじょうずやね! パパってなんでもできるね!」


「あ、あはははー、ま、まぁなー(  ̄▽ ̄) 気合いや、気合い! おいしくなーれって、食べてくれる人の喜んでる顔を想像して作ったら、美味しくできるんやで!」



オムライスに娘が描いたケチャップスマイル。


満面の笑みでした。





「パパー、またおりょうりしたい!」


「よし! それじゃ、お休みのときは、パパとおねえちゃんで、みんなのご飯を作るお料理係になろかっ!」


「うんっっ!!!」






また、娘が、私の中の何かを目覚めさせてくれました。





つづく


大好きなクッキングタイム

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