店主が〝もやし〟になるまで(その12 最終)

 

これまでも、様々なバンドや音楽ユニットを結成してきましたが、こんなに公私共にチームワークがとれた相方は初めてでした。…『インドもやし』

 

彼、インドくん(以下は本名のナカオくんって呼びます)との音楽生活は、ひとつひとつが魅力的で、何もかもが特別に感じました。ナカオくんと共にステージに立って歌っている自分、そんなインドもやしの舞台上の姿を想像すると、どんどん斬新な曲が浮かんでくるのです。自分が歌っているのを想像するのではなく、まずナカオくんが私の書いた曲を歌っている姿から想像し、楽曲制作をすすめていきます。

 

 

そう…、いわゆるひとつの楽曲提供。

私は相方のナカオくんに楽曲を提供し、ステージでは『インドもやし』として、私が彼を引き立てるサポートに入ります。やはり私は、裏で相手を支える方が性に合っている。

 

私が書いた曲を自分のもののようにして、喜んで歌ってくれる彼の姿を見ていると、本当に作曲というものができて良かったと改めて思います。

 

 

叶ってるよね… 小さくだけど… 形は変わったけど… 昔見た楽曲提供の夢、叶ってるよね。

 

 

 

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知人の紹介、練習に利用していたスタジオの企画イベント、ベテランバンドたちの前座…

ライブハウス、カフェ、波止場、公園、学校の体育館…

 

インドもやしの活動範囲はどんどん広がっていきます。もちろんどのコンサートもお金は求めません。あくまでもインドもやしの活動は「趣味っていいよ!!」と、仕事にまみれて、もしくはカラにこもって趣味を活かせずにいる人たちに、一歩飛び出す勇気を与えたいと望む、社会人週末ミュージシャンとしてだけのこと。

 

キャーキャー言われるミュージシャン生活を求めているわけじゃない。

自分たちのベタな姿を見た人たちが、それをきっかけとして何らかの形(そう、別に音楽に限らないわけ)で人生開花すれば、この活動における達成感は格別なもので…。

 

 

インドもやしの結成が私に与えた影響は、音楽にとどまらず、私の人生そのものも大きく変えてくれました。

人の見え方がこれまでと全然違います。そして、自分の周りに信じられないくらい、才能を活かしきれていないアーティストがたくさん存在することにも気付きます。

 

もったいない… とにかくもったいない人がたくさんいる…

 

単純に同情し、仲良くなって終わり… そうじゃなくて…

 

何か自分にやれることは他にないだろうか?

 

音楽だけではないんです。普通に売っててもおかしくないような雑貨を器用に作りながらも、それを恥ずかしそうに遠慮がちに人に見せて終わってしまう隠れアーティスト。

見たことないようなパフォーマンスができながらも、自己満足で終え、例えば知人同士の集まりで冗談のひとつとして披露してあきらめてしまう隠れアーティスト。

 

自信を掴むきっかけさえあれば、誰でも今日から見ず知らずの人々をも楽しませるアーティストになれる可能性は、じゅうぶんに秘めているはず。もちろん、「自己満足としておさめてるのが幸せなんです…」と本気で思っている方に対してはただのおせっかいな考えかもしれませんが。

 

でも、その武器を使って人々を楽しませることができれば、隠れアーティスト自身も、もっともっと幸せな気分になれて見えない部分の自信もついてくるはず。

 

インドもやしだって、まったくの無名なのに、勇気を出して思いのまま自分をさらけ出し、「楽しいことやってるねんでーー!!」という気持ちだけで舞台に立っただけで、共感してくれる方が現れ、ファンまでついた。

 

「落ち込んでても、インドもやしの曲聞いたり、インドもやしの姿見てると、なんかふわぁーーーんとした気持ちになって、悩みなんかどっちだって良くなってしまうんです」

 

こんなお言葉をいただいた日には、もうこれこそ本望だと強く思いました。

 

意図的に〝迷っている人〟の心につけいる歌詞を並べているわけではありません。

意図的に〝悩んでいる人〟を励ます言葉をきれいに並べて、ステージを完成させているわけではありません。

 

ただただ一生懸命、かつ楽しく練習を重ね、ただただ楽しさいっぱいでステージに立って思いっきり喋り、思いっきり緊張し(笑)、思いっきり歌っているだけ。

作り事なんて一切ありません。すべて等身大のまま。

その姿を見てくださった人たちの心が、知らぬ間に軽くなってくれていれば…。

そして隠れアーティストに「あ、こんなんでええんやったら〝僕〟にも〝私〟にもできるかも(笑)」と、第一歩目の勇気を与えてあげることができれば…。

 

 

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やがて私は、無茶を承知で、意を決します。

何度も言うように、もともと私は、自分がオモテで目立つのではなく、オモテの人やものをウラからサポートするのが性に合っている人間。それなら、良いもの持ってるのにカラにこもらざるを得ない状況に置かれた隠れアーティストたちに、活躍の場を自分が与えてあげることができないやろか?

表立ったビジネス!とか、そんなんじゃないんです。

人と人が助け合い、人と人が繋がっていく… そのハートが欲しいのです。

チームワークを大切にし、共にひとつのものをひとつの完成形に近づけていく。

 

 

 

「あなたのおかげで、私に勇気と自信が生まれました」…と、言われたい。

 

「いえいえ、あなたが勇気を出してくれたおかげで、私にもまたひとつの勇気と自信が宿りました」…と、言ってみたい。

 

 

 

もちろん私は、ビジネスじゃない!っとて、生活のためには最低限の収入も得なくてはなりません。

でも、独身であれば、そんなのどっちだっていいんです。常にお金に困らず生きていたいとも思いません。明日食うに必死でも、独りならかまわないんです。人のハートでおなかと心が満たされればね。

 

「愛があればお金なんていらないんだよ」 …いやいや、あんたアホか(笑)、現実を見ろよ、何をほざいてるねん、リアルにお金ないと生きられへん世の中やねんから…

 

私は結婚をし、子どもができてからなおさら、そんな現実派な人間になってしまいました。

まぁたしかに、現実に生きてるんだから、それで正しいんだとは思うのですが。

 

 

でもね… もともとどうだったんだろ? 妄想に向かって必死になってた学生時代…。

そして今は人の体温を求めるようになった自分。

「愛があればお金なんて…」… 人の愛に触れる機会が増えてきた現実の私には、この言葉がまんざらバカらしいわけではないのかもと、そう感じるようになってきました。

 

お金さえあれば、愛はなくても良いのか? 何やっても良いのか? どんな態度とっても良いのか?

 

『お金があるから愛が続く』 = 『金の切れ目が縁の切れ目』

結婚して子どもができ、私はそんな中で、まるである種の戦争のような毎日を過ごすようになっていたのかもしれません。

 

違うんです。愛もお金も必要。でも私の優先順位はやはり愛が一番です。愛あってこそ、それに最低限必要なお金がついてくる… そう思っています。

愛に守られてるから、愛を注いでもらっているから毎日がんばれる。そしてお金は、その愛をたまにキュッキュッと磨いてやるためにいただけるご褒美。現実世界に生きてる者なら、なくてはダメなものですからね。

 

 

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20152月 私はウツ後に8年間お世話になった会社を退職します。いろいろ腑に落ちない点もあったのはあったのですが、それでも地獄の精神世界から社会復帰させてくれた会社、私の人生の方向性を大きく変える勇気を与えてくれた会社、そして最良の相方ナカオくんとめぐり合わせてくれた会社として、大きな感謝の気持ちは消えることがありません。

 

 

私はこれから、人の愛を求める、大きな旅に出るのです。

 

人はどこまで愛だけで生きていけるか、そんな無謀な挑戦を始めた脱サラカフェオーナー店長〝いっぽかふぇfoo ひらやましんじ(通称もやし)〟

 

右も左も分からないカフェ開業準備。着々と進む工事に〝もう逃げられない!!〟というプレッシャーに潰されそうになりながらも、201591日グランドオープン。

 

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もうすぐ3年目を迎える、当ブログを書いている20178月。

今もまだまだ収入に結びつかない苦しい経営は続いておりますが、この2年間で、信じられないほどたくさんの人間愛をいただきました。

やはり〝愛〟なんです。だからがんばれる。

私の未来はどうなっていくか分かりません。家族と離れ、貧乏たれになって、孤独に死んでいく日がくるかもしれません。それでも最後まで〝いっぽかふぇfoo〟は守っていきたい強い想いを持っております。

 

たくさんの人の愛に触れることができるこのお店。私自身にとって、これ以上ぜいたくな人生はないと思っております。

 

「マスター、また来るね~!!」

馴染みのお客様が帰りがけにさりげなく笑顔でかけてくださる言葉。

「プロミュージシャンになって、テレビに出るねん!!」と、そこしか見えていなかった16才の頃の自分が、そんな日常のさりげない優しさに支えられ、それを立派な幸せと受け止めれるようになるとは、想像もできなかったこと。

 

そうやって過去を思い返すと、本当に…人生って楽しい気持ちで生きなきゃ損だなと思います。

どんな小さな幸せも幸せには変わりありません。

小さな幸せいっぱい集めれば、大きな幸福の山になります。

それには長いスパンを必要とし、その間つらいこともたくさんふりかかってくるでしょうが、自分にとって最高の未来を得れる!と、想像すると、がんばらずにはいられませんね(^^)

 

自分が幸せな気持ちになれれば、ゆったりとした気持ちでみんなに幸せをお裾分けできる。

 

与え、与えられ、また与え、与えられ……

 

 

「マスター、いつも優しいね!」 …いえ、あなたが私に優しいから、そう思えるんです。

「マスターのお人柄が人を呼ぶんやね!」 …いえ、あなたが私のお人柄を作ってくださってるんです。

 

 

あなたがお話してること、あなたがやっていること、これからやろうとしていること、成し遂げたとき、失敗したとき… 何だろ… 見てて何故かいつもワクワクします。

 

 

人はひとりでは生きられません。

世界の中で、たったひとりでも、そうやって自分にワクワクしてくれる存在があれば、その人のためにも心の底からがんばろうと思うのです。

 

私にもいつか、そうやって心を満たし合い、興味を持ち合える存在が現れることを信じて…。

 

 

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2017412日 私はまた、ひとつの夢が叶いました。

16才の頃見た「テレビに出てギターを持って歌を歌いたい!」… そんな淡い夢。

 

いろんな挑戦をするお店をやっていたことで、とあるテレビ局に注目していただき、見事、自分の姿はテレビの中におさまりました!

 

それも、お店の食べ物の宣伝をしているのではなく、ギターを持って歌っているおっさんアマチュアミュージシャン〝ひらやましんじ(もやし)〟として…。

 

 

もちろん、16才当時に抱いていた夢そのままの形ではありません。デビューしてないし、無名だし、カッコよくないし、しかもエプロンまで付けてるし…(笑)。

 

でも、形変われど、叶ったわけです。

形が変わっても、それを〝叶った!!〟と素直に受け止めれる自分がそこにいました。

 

 

 

 

夢は叶います。

あきらめず、時には突き放すことも必要。

でも心の隅の方には必ず置いといて、現実世界を真面目にコツコツ歩んでいくと、必ずその人に最も適した形で叶うようにできている。

 

そんな気がします。

形違えど、叶ったと認めれば、また新しい夢を抱こう!! 必ず叶うと信じて!!

 

 

 

私はいつまで〝もやし〟として生きていけるか分かりません。ひょっとしたら、突然事故死するかもしれません。でも生きていれるのなら、どんなに苦しい状況でも、夢は抱いていようと思います。

 

何があっても、この、人の愛に満ち溢れたいっぽかふぇfooは守り続けたい…。

 

そして…  私の夢は続きます。

 

 

 

店主がもやしになるまで… このシリーズは一旦ここで終了させていただきます。

 

また私の抱いた新たな夢が叶いそうになったら、いえ、叶ったら、書いていきますね(^^)

 

最後までありがとうございました。

 

 

店主もやし


いっぽかふぇfoo 店主もやし 

fooを支えてくれるアーティスト(ほんの一部)

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