店主が〝もやし〟になるまで(その4)

好きなものであったり、夢中になれるものがあったり、その場所が生き甲斐と感じていたりすると、様々な奇跡が起こるものです。脳が瀕死状態であった父親は、1996年の一年間で見事、完全職場復帰を果たします。父は実のところ“仕事大好き人間“。電気工事をしている自分がとても好きであり、生き甲斐に感じていたようです。私は仕事大好きな父を、時にうざったく感じておりましたが、それでも常にお客様第一に考えるサービス精神の塊...

店主が〝もやし〟になるまで(その3)

万人にウケるミュージシャンになる。 まず引っ掛かるには強烈な個性が必要となります。 『カネ』『コネ』…基本的にこういった業界で、最もデビューへの融通が効くアイテム。 私の場合、そのふたつのワードは持ち合わせていません。   アルバム『ひとりごと』は、いくつか受けたオーディションでも、かなりの個性を評価していただきました。曲調・アレンジ力・雰囲気のあるヴォーカルやギターの音色。しかし残...

店主が〝もやし〟になるまで(その2)

1995年1月17日、阪神淡路大震災。何なんやろ、この酷い仕打ちは……とにかく夢にもがいていた私は、毎日ひとつひとつがヤケクソです。「つらい」「くやしい」「さみしい」 そんなマイナスなワードしか頭に浮かんできません。父親のボランティアめいた電気復旧工事を手伝い、休みなんて殆どなく、たまに何もない日(というか、動くにも動けない日)は部屋にこもり、いつも目の前にはボロボロのノートとインクが出たり出なかったりする...

店主が〝もやし〟になるまで(その1)

私は15才の頃、父親の仕事を夏休み中に手伝い、そのアルバイト代全額で、自分専用のアコースティックギターを購入しました。…って、いきなり夏休みの下手な作文みたいな出だしになってしまった(^_^;)みんなにすごく笑われるのですが、実は私がアコースティックギターを買おうと決めたきっかけは『たま』というアコースティックユニットと出会ってからのこと。バンドで成功して、テレビに出て有名になるギタリストはエレキギターが...

雨降りの一日 ~後編~

開店休業……この日お二人目の『入口のみのご来訪者さま』も、当店の安物置き傘をさして、小走りに帰られました。そろそろホウキも新調せんとあかんなぁー。寝癖のついたくたびれホウキで、一生懸命に床を掃き掃除。……と言っても、一日一点に、しかも自分ひとりが存在しただけのお店なので、幸いなことに(幸いなことか?)、ゴミもなく、とてもラクなお掃除タイムとなりました(笑)。なーんか、心がホットになることないやろか?特に仕...